小売電気事業登録申請に必要な、計画値同時同量の義務とは?

小売電気事業登録が必要な事業を行う場合、小売電気事業者となる方は「計画値同時同量制度」を守る義務があります。

 

この「同時同量」とは、電力の発電量と消費量の需給バランスが同じ時に同じ量になっていなければならないというものです。発電量と消費量について一致しない時間帯があった場合は、電気の品質(周波数)に乱れが起こり、電気の供給を正常に行うことができなくなるため、発電所が安全装置の発動で停止してしまいます。

 

2018年9月の北海道胆振東部地震による「ブラックアウト」のように、場合によっては大規模停電が起こる危険性がありますので、電力需給バランスの調整に関わる小売電気事業者は、託送供給等約款に基づき、常に「計画値同時同量」となるよう、発電量と消費量を管理する必要があります。

 

この「計画値」の「計画」とは、小売電気事業者が立案する需要計画(使う電力量の計画)と、発電事業者が立案する発電計画(供給量の計画)を指します。これらの計画は前日の正午までに翌日分を、1日を48コマに分割した30分単位のコマごとに作成し、広域機関へ提出する必要があります。これらの計画は、各コマの1時間前まで変更が可能ですが、各事業者はそれぞれ、30分単位の計画値と実績値が一致するように調整し、実績値の集計結果は広域機関へ報告しなければなりません。提出した集計結果について計画値と実績値でズレ(インバランス)が生じた場合は「インバランス料金」が発生します。

 

また、需給がひっ迫したり、供給力が過剰となって電源の出力抑制可能量が不足したりした場合は、広域機関から小売電気事業者や発電事業者に対して調整に関する指示がありますので、早急に対処する必要があります(そのための訓練も行われているようです)。

 

 

小売電気事業の登録申請を行うためには、このような、需要電力量の予測や計画値の作成、実績報告、計画の調整、発生した場合のインバランス料金の負担などを想定した事業計画を作成し、提出する必要があります。

※複数の小売電気事業者でバランシンググループを組成する場合、その代表契約者が計画策定やインバランス料金精算等を行うことがあります。

よしひろまごころ行政書士事務所では、全国対応で小売電気事業者の登録申請をサポートしています。お気軽にお問合せください。