小売電気事業登録申請を行う際は、事業計画書(様式第1の3の2)を提出する必要がありますが、この事業計画書では、インバランスの発生リスクへの対応策や目標を記載する必要があります。
小売電気事業における「インバランス」とは、予め一般送配電事業者に提出する電力の需要量や発電量を想定した需要計画と、実際に使用された需要実績の間にズレ(差分)が生じることを指します。
電気は蓄電設備以外で貯めておくことが難しく、直ちに消費されるものであるため、電力の供給量と需要量は計画値と同時同量でなければなりません。そのため、電力自由化した2016年4月以降、1日を48コマに分割した30分単位のコマごとに、小売電気事業者は需要計画を、発電事業者は発電計画を作成し、実需給の1時間前(ゲートクローズ)までに需給を一致させる運用を行っています。
しかし、それでもゲートクローズした後にズレ(インバランス)が生じていることがありますので、その場合は一般送配電事業者(大手電力会社)が調整力にて補填または吸収して一致させ、その調整にかかった費用を、インバランスを発生させた発電事業者または小売電気事業者に対して事後精算しています。
インバランス料金とは、一般送配電事業者が実需給における電気の過不足を調整する単価のことをいいます。
インバランス料金は、次の場合に発生します。
・電気が不足した場合・・・上げ調整により電気の補填を行う
一般送配電事業者が電力を補填したため、調整費用を発電事業者または小売電気事業者へ事後請求します。
・電気が余った場合・・・下げ調整により電気の吸収を行う
一般送配電事業者が余剰電力を買い取るため、発電事業者または小売電気事業者へ事後に支払いを行います。
つまり、インバランス料金とは、電力の供給量と需要量が計画値とズレた際に調整してくれた一般送配電事業者が、事後請求する調整費、または事後に支払ってくれる買い取り金といえます。
ただし、多くは電気が不足するほうのインバランスであるため、インバランスの発生リスクとは、電力不足のリスク(インバランスコストを負担しなければならないリスク)のことを指します。
インバランス料金の単価は、北海道から九州までの9エリアと沖縄の各地域ごとで異なり、時間帯によっても異なります。2024年までは上限が200円/kWhでしたが、今後は引き上げを検討されています。
最新のインバランス料金単価は、一般送配電事業者(大手電力会社)様の「インバランス料金情報公表ウェブサイト」などをご参照ください。
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